『国と地方の関係』

6月県議会 7月1日(月)一般質問 答弁
今、国と地方自治体との関係が大きく変わろうとしている予兆が感じられ、
ごく近い将来現実のものになることを私は大きく期待しています。

5月21日の政府の経済財政諮問会議は、
片山総務大臣による5兆5千億円にのぼる地方への財源を移譲する私案の発表の場となり、
続く6月7日の経済財政諮問会議は、
首相指示の形で福祉、教育、社会資本などの国庫補助負担事業の廃止、
縮減の結論を年内に出すとともに、交付税見直しと税源移譲を3位1体で検討し、
1年以内にとりまとめることとしました。この動きに歩調を合わせるかのように、
昨年7月に地方分権推進委員会の後を受けて発足した地方分権改革推進会議では
6月17日に発表したその中間報告で、地方を国の関与、規制から開放し、
権限と責任を大幅に拡大するなど国と地方の適正な役割分担をすべきとして、
目玉には、経済財政諮問会議と同様に、国庫補助金、交付税、
税減移譲を検討することが盛り込まれています。

さらに本日、21世紀の地方自治の在り方を検討している第27次地方制度調査会は総会を開き、
基礎的自治体の在り方、都道府県の在り方、地方税財政の在り方など、
5項目を今後審議していき、来年11月までに答申を取りまとめることを決定すると聞いています。
国と地方との在り方が大きく変貌していくことでしょう。

そこで、何点か伺います。
まず、地方分権一括法と中央省庁再編についての評価です。

地方分権一括法は、
大騒ぎをして計475本もの法律改正を行ったものの
蓋を開けてみれば機関委任事務が自治事務と法定受託事務に整理された事と、
地方事務官制度が無くなったのが目立つ程度で、
期待された税財源の移譲は見送られ、全くの期待はずれに終わりました。

中央省庁の再編については、その数が1府21省から1省12省庁へと減りましたが、
その持つ巨大な権限も人もポストも温存され、何ら変わっていないのが現実であり、
私は中央官庁が本気で地方分権を進める気は無いのだとこの時はっきり理解しました。

この地方分権一括法と中央省庁再編についての評価を伺います。

次に国と地方との関係について伺います。
これまで様々な行政サービスを支える税収の配分は国6に対して地方4。
一方で行政サービスに使われる支出は国4に対して地方6。と全く逆になっています。
このギャップを埋める事が地方の悲願だったと言っても良いでしょう。

国の財源を握ることによって他の事業官庁ににらみをきかせてきた
旧)大蔵省と地方自治体の代表といっておきますが、
旧)自治省の争いであったとも言えます。
地方自治では、票にならない為、国会議員の応援を望むべくも無い自治省と、
配下にある事業官庁と組んで、
予算というおいしい餌で国会議員を籠絡洗脳してしまう大蔵省とでは、元々勝負になりえません。
私達の同僚で県議会から国会へ転進した方々もいく人かおられますが、
国会議員になった途端、地方の代表ではなく国と中央官庁の擁護者に変わってしまうのを見れば
今日までの国と地方の関係が、上下、主従の関係であり続けたのもさもありなんであります。

私達地方議員こそ、声を大にすべきです。

そこへ地方への追い風が吹いたのは、大蔵省から始まった中央官僚の不祥事の数々でありますが、
それより何より危機的な状況にある国と地方の財政への
国民の不安がこの国の形を変えようという動きを後押ししたと言えると思います。
そこへ登場したのが、片山議案であり、経済財政諮問会議の首相指示となって表れております。

そこで税財源から見た国と地方の関係についての
考えと片山試案に対する評価について伺います。


【一般質問に対する答弁:県知事】-----------------------------------
 小楠県議にお答えをいたします。
国と地方の形についてでございますが、ご質問の途中でいろいろ述べられたご意見とか、
現在の地方自治制度についての批判的なお考え、
これについては私も大変共感を持って拝聴いたしました。
大変そういう観点で同じような思いの方がいらっしゃるということで
心強く思った次第でございます。逐次お答えいたします。

まず、地方分権一括芳と中央省庁再編への評価についてであります。
この地方分権一括法でありますが、大きくかかげられた看板の割には、
実態を伴わない期待はずれといいますか、
拍子抜けの結果であったというふうに私は感じております。

権限を国から地方、それも都道府県、都道府県から市町村へ降ろすということは、
形式上大変な改革をやったように見えるわけでありますけれども、
実際に地方行政を推進するうえで、
権限の行使についてさほどの不自由は感じていなかったというのが実態であります。

法律に基づく行政を執行する場合は、法律はできるだけ基準を明示しております。
しかも、昨今の風潮としていわゆる行政指導に対する厳しい批判があります。
行政指導の名の下に何が出てくるかわからないような格好で基準が決まるのはおかしいという、
そういう国民の批判といいますか見解をもとに、
できるだけ基準は明示をするという方向へ昨今は動いておったわけでありますので、
そういうことを前提に考えますと法律で地方の権限がいろいろ規定されておっても、
予め明示されておるわけでありますので、
権限の行使に当って分権の観点から不自由があるというようなことを
実感するケースは少なかったわけであります。

主務大臣の制度としては、
主務大臣のいろいろコントロールが及ぶという建前になっておりますけれども、
国会でいろいろな入念な審議をもとに様々な執行に当っての基準、
これが法律とか政令でかなり具体的に明示されてくる限り、
地方において制約を感ずることは少ないわけでありまして、
ならば、なぜ地方自治の観点から国の中央省庁のいろいろな規制や関与について
批判があったかといいますと、これはほとんどのケースが財源の大半をあるいは、
地方にとって決定的と思われる財源の付与が国からされてくると
毎年毎年の国の予算編成でされてくる、そこに問題や不満の原因があったわけでございます。

地方分権一括法の施行にあたりましては、
そこの一番の本丸にはほとんど手が着いていなかったわけでありますので、
そういう点で地方分権一括法が華々しく分権に資するというような取り上げられ方をした割には、
実感がなかったというのが正直なところでございます。
機関委任事務の廃止とか様々な国の関与の職員配置という制度上の問題は、
そういうことであったというふうに思います。

そこで、2番目の片山試案への評価へも関連するわけでありますが、
今回やっと本丸でありました税財源の配分の問題に具体的に踏み込んだという点で
この片山試案は評価をすべきものだと思います。
理論上は仕事と税源の配分が1対1に対応する、
仕事が地方6、国が4であれば、
地方に財源も6、国に4というのがこれは理論的にはその方が正しいかもしれませんが、
一方で我が国の税源の偏在、地域偏在ということを考えますと
交付税、現在の交付税、将来はどういう名前の財源偏在調整機能ですね、
これがどういう名前で呼ばれるかわかりませんが、
少なくとも国において財源の地方間の是正の財源、最終的には地方に行くわけでありますので、
これを持っておくということは避けられないと思います。
そういう意味でいきますとかなり腰だめ議論になりましょうけれども、
国と地方の税財源の配分が1対1というのも、
かなりいいところを突いているのではないかというふうに思うわけでございます。

今後は、せめてこの片山試案の国地方1対1の配分決定に向けて、
政府が具体的な政策決定をしていくことを期待しているところでございます。

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